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中国講談『評書三国演義・美女連環の計』の芸能学的研究
https://doi.org/10.24792/0002001310
https://doi.org/10.24792/0002001310710c018e-cefd-46d0-96b8-f540bf31f563
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||
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公開日 | 2025-03-26 | |||||||||
タイトル | ||||||||||
タイトル | 中国講談『評書三国演義・美女連環の計』の芸能学的研究 | |||||||||
言語 | ja | |||||||||
タイトル | ||||||||||
タイトル | Research on the Art of Chinese Story-telling of A Beautiful Accomplice to a Tyrannicide in Sanguozhiyanyi | |||||||||
言語 | en | |||||||||
言語 | ||||||||||
言語 | jpn | |||||||||
資源タイプ | ||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||
ID登録 | ||||||||||
ID登録 | 10.24792/0002001310 | |||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||
著者 |
吉川, 良和
× 吉川, 良和
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抄録 | ||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||
内容記述 | 中国では北宋(960~1279)期の演芸場で,「三国読み」の講談師・霍四究がすでに活躍していた。だから,講談「三国志」はじつに長い歴史をもっていることを知る。それは歴代の講談師が工夫を重ねて研き,今日に伝えていることをも物語っている。往事の中国では識字率が極めて低かった。それでも,庶民たちが「三国物」の人物や事件が,目に見え,耳に聞こえるように思えたのは,講談と芝居のお蔭である。その中国講談では,北京のものを「評書」という。その芸態はほぼ日本の講談に似ているが,張扇の代わりに,マッチ箱大の固い木製の「醒木」を打つ。 中国の講談は,「水滸伝」を得意とする者など,各種得意演目があって,南京の康重華のように,代々「三国読み」の家もある。本論では北京の評書演者・連闊如の伝本『評書三国演義・漢末風雲』を定本とし,話の筋立てにそって,使われている技法を明らかにせんと試みた。「三国志物」は元代以降,印刷本が出たが,決定的な小説の刊本は,明代16 世紀中頃の羅貫中撰『三国志通俗演義』で,後世最も人気のあるものだ。連闊如の評書もこの本の影響を受け,参考としている処も少なくない。だが,羅貫中本はあくまでも目で文字をたどる「読者」を相手に想定したもので,目で読んで理解できても,読みあげたものを,聴客の耳だけでは分からない処も多々ある。しかも,歴代の聴客は非識字者が多い。そこで,連闊如は羅貫中本を参考にしながらも,それをかみ砕き,補足し,物語を盛り上げる聴覚芸術に仕立てているのである。 筆者は評書の技法を,①物語の順に述べていく「正筆」技法,②後からある事柄の典故・原因などの説明をする「倒筆」技法,③話の間に説明などを挿入する「挿筆」技法,④伏線を敷く「伏筆」技法,後で起こる出来事を徐々に醸し出す「暗筆」技法,⑤挿筆に似るが語彙に若干の説明を入れる「補筆」技法,⑥突如驚くべき事態を現出させてくる「驚人筆」技法。この「評書技法」6種に,説唱用語も加えて分析を試みた。その結果,羅貫中の『三国志演義』が有していた董卓謀殺事件への人間の言動が,評書芸能のとくに「驚人筆」を使った「暗筆」技法によっていることが闡明された。 もともと,羅貫中本はじつによく仕組まれている。連闊如の「連環の計」の段は,「私怨」を搔き立て,「国家の大義」を貫くという,構造の上になりたっている。けれども,これは単なる私欲の争いではなく,さらに中国人の道徳心をも加えた智闘が繰り広げられているのだ。謀殺される悪徳人物は当然単純な表現に陥りやすいが,首謀者,協力者,利用される者,その各人物が生き生きと血がかよい,まさにその姿が見え,その声が聞こえるごとくである。この点が,この評書の最大の魅力で,連闊如は諸技法を最大限に駆使して語っている。 今回は長篇「三国志物」の一部「連環の計」の段だけを扱ったので,「開臉」のような初登場の人物の身なりの描写に関して詳述できなかった。また,「場景表白」もこの段だけなので,いささか少ない嫌いもある。稿を改めて,別の大段落「柁子」を扱うことで,さらに評書芸術の技法を掘りさげて研究する所存である。 |
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言語 | ja | |||||||||
書誌情報 |
ja : 人文学研究所報 en : Bulletin of the Institute for Humanities Resarch 巻 73, p. 125-145, 発行日 2025-03-14 |
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ISSN | ||||||||||
収録物識別子タイプ | PISSN | |||||||||
収録物識別子 | 0287-7082 | |||||||||
書誌レコードID | ||||||||||
収録物識別子タイプ | NCID | |||||||||
収録物識別子 | AN00122854 | |||||||||
著者版フラグ | ||||||||||
出版タイプ | VoR | |||||||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 | |||||||||
出版者 | ||||||||||
出版者 | 神奈川大学人文学研究所 | |||||||||
言語 | ja | |||||||||
出版者 | ||||||||||
出版者 | The Institute for Humanities Research. Kanagawa University | |||||||||
言語 | en |