@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009801, author = {前田, 一舟 and Maeda, Isshu}, month = {Mar}, note = {西村真次は「先史時代及び原史時代の水上運搬具」[西村1938]で船の発達段階を第1段階の浮き、第2段階の筏、第3段階の刳舟、第4段階の皮船、第5段階の縫合船、第6段階の構造船に分けた。一方、桜田勝徳は「現存船資料による日本の船の発達史への接近の試み」[桜田1958]で木造船のオモキの部材に注目し、漁船の横断面より5つの段階に分け、和船の発達を提示した。その発達段階を敷衍した出口晶子は「刳船の発達諸形態の分類と地域類型―日本とその隣接地域を中心に―」[出口1987]のなかで、日本の刳船をシキとタナという相互扶助的な発達展開をより具体的な実証方法で「シキとタナの発達からとらえた刳舟の横断面分類」の16区分に示した。そして、日本の沖縄で近世から近代にかけて交易で活躍していたマーラン船は出口分類のCYまたはCZに位置し、木造船の最終発達段階である。 和船の造船技術ではタナの技法がひとつの特徴と考えられる。その技術はいつ頃から登場し、どのような技術の発達段階がみられるだろうか。その観点から越來家における船大工の技術伝承に着目し、本州・九州の和船及び福建省泉州市・福州市、台湾基隆市の木造船等をもとに比較研究した。 その結果、日本の和船は中国福建省のサンパンや馬艦、漁船に共通する構造がみられるものの、沖縄のマーラン船は横断面で丸みを帯びながら、船型の外板が優美な曲線をもつ特徴がある。それは従来の技術をもとに進化した造船技術と考えられる。つまり、その技術の発達のひとつはタナであり、その技術が日本において上代または中世まで遡ることができた。また、その技術の発達は近世の和船で確立された板材の摺り合わせと木殺しの技術であったと考えられる。 親子4代以上に渡り越來家がもつ船大工の技術伝承は、日本や中国沿岸部のシキやタナの技術と共通性をもちつつも、極度に曲げる外板の部材づくりは東アジア以外の国も想定しなければならない。それは大航海時代に活躍した西洋の木造船との比較研究が今後の課題となろう。, Article}, publisher = {神奈川大学 国際常民文化研究機構}, title = {沖縄・越來家船大工の造船技術 -日本と中国福建省泉州市福州市・台湾基隆市を比べて-}, volume = {12}, year = {2018} }