@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009800, author = {廣瀬, 直樹 and Hirose, Naoki}, month = {Mar}, note = {日本の造船技術の多様性を表す代表的な例が、日本海沿岸に分布するオモキ造りである。オモキ造りとは、底板の左右両端に刳材オモキを組み込む構造で、木製カスガイのチキリや木栓タタラ、接着剤としてのウルシの使用といった特徴的な接合技術が伴う。 オモキ造りが色濃く残る典型的な地域が北陸である。本稿では、摺り合わせ、木殺しといった和船に一般的な接合技術に加えて、チキリやタタラ、ウルシといった北陸ならではの接合技術について、富山県氷見市での実例をもとに報告する。あわせて、中国船の隔壁構造と接合技術について、実地調査を行った福建省を例として報告する。その上で、北陸のオモキ造りと福建省の隔壁構造に、狭義の和船である棚板構造を加えた3種の船を対象に、特に接合技術のあり方と、接合技術の違いによって生じる船体構造の相違点について検討を行う。 棚板構造は、船体を前後に貫く水押・底板・戸立を基本骨格として棚板を曲げ付けて建造される。また、板を接ぎ合わせて必要な大きさの船材を得る大板構造によって、大小さまざまな船を造ることができる。 オモキ造りは、刳材オモキが船体の基本となるため、船の大きさはオモキ材の大きさに制限される。接合技術にチキリやタタラ、ウルシがあり、木端面同士を強固に接合して船が形作られる。 隔壁構造は、船体を多数の隔壁で仕切る構造である。現代福建省の小型船は、隔壁の数は4枚を最小単位とし、この4枚の隔壁に対して外板材を張り付けて船体が構成される。外板材は、隔壁や肋骨材への接合が重視されるが、外板材同士の接合には気が払われていない。摺り合わせや木殺しのような接合面の調整・加工は施されず、水密性は充塡材である油灰によって保たれる。 本稿で比較検討を行ったオモキ造り、棚板構造、隔壁構造は、三者三様それぞれ違った船体構造を持つ。さらにその構造は、接合技術とも密接に関わり、造船技術の地域性として表れている。, Article}, publisher = {神奈川大学 国際常民文化研究機構}, title = {船体構造からみた船材接合概念の地域性}, volume = {12}, year = {2018} }