@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009799, author = {廣瀬, 直樹 and Hirose, Naoki and 王, 蕾 and Wang, Lei}, month = {Mar}, note = {中国の小型木造船サンパンは、船体を仕切る隔壁と竜骨を基本に建造された隔壁構造を持つ船で、中国の沿岸では、主に漁船や艀として用いられた。現在でも一部地域では木造のサンパンが稼働し、各種の漁撈に用いられている。 今回の共同研究では、福建省泉州市および福州市をフィールドとした中国の伝統的木造船調査を実施した。 泉州市では、泉州海外交通史博物館で資料調査を行った。同館では、館所蔵の福建省厦門市のサンパン、湖北省の鵜船「鸬鹚船」とタライ舟「盆划子」について略測作業を実施した。また、泉州市恵安県在住の船大工張国輝氏から、サンパンの部材名と建造工程について聞き取り調査を実施した。 木造のサンパンが今も現役で稼働している福州市では、福青沃造船所でサンパンなどの木造船および造船用具の調査を実施したほか、造船所の社長、陳楊坤氏からの聞き取り調査を実施した。さらに、現在も木造のサンパンを建造している福青沃造船所近隣の造船所にて、サンパンの造船工程の調査を実施することができた。また福州市では、三坊七巷福船文化館で同館に展示されている木造船関連資料を調査した。 本稿では、中国の小型船サンパンの構造と建造技術について、略測図および聞き取り調査の成果をもとに紹介する。あわせて、今回の調査で記録することができたサンパンの建造工程について、そこで用いられている各種の造船用具と造船技術を含めて報告する。 現代福建省のサンパンは、4枚の隔壁を基本構造とし、そこに外板材を接合した構造をとる。接合面の加工や調整はほとんど行われておらず、接合部に油灰と呼ばれる充塡材を詰め込むことで水密性が保たれる。油灰とは、桐油と石灰を練り合わせ、さらに麻や竹の繊維を混ぜ込んだもので、中国船においては船材接合部の水漏れ防止のために必要不可欠な存在である。中国の造船技術において、接合技術の根幹を成すのは充塡材の油灰であり、和船における材と材の摺り合わせや木殺しといった技術は確認できなかった。, Article}, publisher = {神奈川大学 国際常民文化研究機構}, title = {中国福建省の小型木造船サンパンとその構造}, volume = {12}, year = {2018} }