@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009749, author = {羽毛田, 智幸 and Haketa, Tomoyuki}, month = {Mar}, note = {本稿では、アチックミューゼアムが昭和9 年5 月におこなった薩南十島調査について、神奈川大学日本常民文化研究所に保管されている薩南十島調査にて撮影されたアチック写真・アチックフィルム『十嶋鴻爪』、および参加者が調査終了後に各種の媒体で発表した文献をもとに、調査団を組織のあり方や、各島々における調査活動内容や得られた成果についての検証を試みた。加えて、これまで「テイームワークのハーモニアスデヴエロープメント」ということばでひとくくりにされがちであったアチックミューゼアム(以下、アチック)の活動に対して、薩南十島調査が与えた影響についての考察を試みた。 昭和9年5月におこなわれた薩南十島調査は、アチックから「彙報」や「ノート」といった形では報告がでておらず、調査の詳細について不明な部分も多かったが、本稿の調査において、鈴木醇や宇野円空、九州帝大の小出満二や木村修三、竹内亮、江崎悌三、鹿児島高等農林学校の谷口熊之助などの調査報告を確認することができた。これまであまり知られることのなかったこれらの調査参加者の成果は、アチックの薩南十島調査について、その行程や各参加者がどういった視点を持って調査に臨んでいたのかを些少ではあるが明らかにすることに繫がった。 また、「テイームワークのハーモニアスデヴエロープメント」という渋沢のことばが、近年アチック全体を語る上では必ずといってよいほどに引用されてきた。アチックの活動方針の理想を述べたこのことばは、昭和10年7月発行の『アチックマンスリー』創刊号に「アチック根元記(一)」として掲載されたもので、理想をもって運営してきたアチックであるが、以後についてはそれをあらためるという渋沢の意思表示であった。  すなわち、渋沢や知友の研究者によって進められた玩具収集や奥三河の花祭調査などが中心であった昭和初年のアチックと、同人による各地の調査をはじめとする昭和10年代のアチックの活動をひとくくりにはできないのである。渋沢の具体的な言及はないものの、アチックに在籍しない自然系の研究者を含めた調査団を組織しておこなった薩南十島調査が転換点となり、その経験と結果によって判断がもたらされたのである。, Article}, publisher = {神奈川大学 国際常民文化研究機構}, title = {10 薩南十島調査とその後への影響}, volume = {10}, year = {2015} }