@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009691, author = {小川, 直之 and Ogawa, Naoyuki}, month = {Oct}, note = {「アジア祭祀芸能の比較研究」は、アジア圏の歳事にみられる祭祀と芸能の比較研究を通じてその特徴を明らかにすることを課題としている。比較研究において重要となるのは、具体的な比較指標であり、本稿では神事や儀礼とその際の芸能を構成するにあたって、原義的に必須となる神霊の出現について、神霊を迎えるための「依代」「招代」に焦点をあてて、これについての概念を再検討するとともに、具体事例として中国貴州省のトン族の薩歳(さすい)祭祀、韓国全羅北道蝟島(うぃど)の願堂祭を取り上げ、「依代」「招代」の比較指標としての有効性を示した。 「依代」「招代」という祭祀の分析概念を術語として提示したのは折口信夫(1887 ~1953)であり、その内容は「髯籠の話」などによって大正時代初期に論じられた。「依代」「招代」については、折口以後、日本の人文学のなかでは体系的な研究が行われていないことから、初めに折口のこれに関する論考から、理論化の道筋を辿り、1)「標山」と「依代」「招代」の提示、2)太陽神と髯籠の造形、3)標山と依代の展開、4)供物とその容器、山車という4つのステージから構成されていることを明らかにした。また、この論文で折口は古代における太陽神信仰を検討することにも目標をおいていたが、これについての議論には提示理論に揺れがあって、体系化には至っていないことも明らかにした。しかし、折口による標山論、依代論は、柳田國男の研究も援用しながら分析概念として大きな枠組みをもって構築され、以後の日本文化研究に大きな影響を与え、その用語は術語として定着した。 折口の標山論、依代論についてはさらなる検討が必要であるが、その検討にあたっては、アジアの神事や儀礼、芸能にみることができる依代の実相も含めた体系化が必要となり、これに向けて中国貴州省黎平県のトン族の薩歳祭祀、韓国全羅北道蝟島の願堂祭を取り上げ、これらの祭祀には依代と判断できる祭具が認められることを明らかにした。, Article}, publisher = {神奈川大学 国際常民文化研究機構}, title = {16 「依代」の比較研究}, volume = {7}, year = {2014} }