@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009689, author = {鈴木, 正崇 and Suzuki, Masataka}, month = {Oct}, note = {中国福建省の祭祀芸能の特徴として演者の守護神の「戯神」が大きな役割を果たすことを指摘できる。「戯神」は田都元帥や相公爺と呼ばれ、唐代の楽工(楽士)の雷海青とも同じと見なされる。演劇の開始に先立って舞台に勧請され、最後には丁重に神送りの儀礼を行う。特に人形戯(傀儡戯)は禳災招福を願う儀礼の性格が強く厳格に演じられる。本稿は「戯神」の伝承と文献と儀礼を多角的な視点から検討し、歴史的な変遷を潜り抜けて、古層(archaism)とでも呼ぶべき連続性を要素や文脈に基づいて提示する。在地の信仰が祭祀芸能に組み込まれ、地域性を濃厚に保ったまま「戯神」に生成し定着してきた過程を検討する。「戯神」は土地の自然の力や野生の力を宿しており、土地神・農耕神・天文神・大地神・地主神・先住神・人文神・治癒神などの性格を複雑に混淆させている。性格の基本はトリックスター(いたずら者)であり、秩序を攪乱して再構築する。演劇の成功と失敗は紙一重であり、不安定な状況を乗り越える粘り強い能力が人間に求められる。「戯神」は人間の力では統御し難いものを守護の力に転換させるものとして働くことが期待される。「戯神」は演劇という異界の中で、想像と創造に生きる虚構の世界を構築する力を与える。 人形戯であれ人戯であれ、「戯神」は、魔物を追い祓い舞台を清める。福建では人形は悪さをする猖や鬼を追い祓う「出煞」の機能を持つとされ、除魔の効果が期待されて、演劇の中では最高位の位置にあった。人戯の梨園戯はその次に置かれる。人形戯は解放前は儀礼の場でのみ行われ、敬天酬神(神霊への奉納)・吉祥喜慶(個人の通過儀礼)・除凶納吉(厄祓い)・超度亡霊(死霊の供養)の四種の目的があったという。社会主義国家に組み込まれ、大躍進や文化大革命の変動期を経て、伝統の復活と再創造の波の中で、現在では娯楽や鑑賞の対象とされることが多くなった。激動を経てきた「戯神」の変容と持続を検討する。, Article}, publisher = {神奈川大学 国際常民文化研究機構}, title = {11 中国福建省の祭祀芸能の古層-「戯神」を中心として-}, volume = {7}, year = {2014} }