@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009643, author = {昆, 政明 and Kon, Masaaki}, month = {Mar}, note = {本州と北海道を隔てる津軽海峡およびその周辺地域は、近年まで多くの小型木造漁船が稼働していた地域である。この地域の小型木造漁船は、船底部に刳り抜き材「ムダマ」を使用したムダマハギが広く分布し、地域によっては単材刳り船および板合わせの構造船であるシマイハギが併用されている。「ハギ」とは部材を接合する、すなわち「接ぐ」ことであり、造船のことを「船をハグ」とも表現する。ムダマハギにおいてはムダマ部分の構成が単材で構成されるものから複材で構成されるものまでさまざまなバリエーションがあり、これらを整理することにより、単材刳り船からシマイハギの構造船に至る変化の各段階を示すものと考えられる。 青森市に所在するみちのく北方漁船博物館は、これらの地域の小型木造漁船を収集保存展示しており、中でも「津軽海峡及び周辺地域のムダマハギ型漁船コレクション」67隻は、刳り船から板合わせの構造船に至る、木造漁船の構造発達を物語る資料として重要有形民俗文化財の指定を受けている。環太平洋海域における伝統的造船技術の比較研究において、日本における造船技術の特徴を小型木造漁船の分析を通して船体構造発達の側面から提示したいと考えた。ここでは、みちのく北方漁船博物館所蔵資料を中心に、船体構造の変遷過程の中にムダマハギを位置づけてみた(1)。 本稿では、まずムダマハギの概要を整理し、刳り船からムダマハギおよび構造船に変化する過程を地域ごとに提示する。ついで、ムダマハギ型漁船におけるムダマ製作および造船技術と構造船の造船技術の相違点を明らかにし、船体構造の変化が最も明瞭に表れる船体中央断面に焦点をあて、その変遷過程から船体構造の発達過程を考えた。ムダマハギの外観上の特徴として船首部分のミヨシの立て方に注目した。ムダマハギは基本的にイタミヨシであるが、地域によってはシマイハギの技術を取り入れたソトミヨシに変化している。造船技術におけるムダマハギと構造船の大きな相違点としてヤキダメ技法の有無がある。この技法を用いたシタダナとミヨシの接合は技術的には大きな飛躍を伴うものでその導入の経緯については今後の課題となった。, Article}, publisher = {神奈川大学 国際常民文化研究機構}, title = {03 北日本における伝統的木造漁船の船体構造の変遷過程}, volume = {5}, year = {2014} }