@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009588, author = {若林, 良和 and Wakabayashi, Yoshikazu}, month = {Mar}, note = {パヤオは、カツオやマグロなどが漂流物に集まる習性を利用した装置で、海の表層や中 層に浮力で留めて蝟集する人工浮魚礁である。漁場利用や漁村活性化など地域漁業のあり 方を検討する場合、パヤオとそれをめぐる漁業は好例と想定できる。また、日本や東南ア ジアに多くみられるパヤオは、漁場利用の技術や知見に関する社会経済的・歴史民俗的な 意義を分析するという本研究プロジェクト「漁場利用の比較研究」の重要な指標になる。  本稿の目的はパヤオの機能と利用を総合的に分析することである。本稿の課題は次の 3 つである。第1 に、極めて多様な形態を持つパヤオをFADs(Fish Aggregating Devices、集魚装置)と総称して広義に捉え直し、用途・設置位置・機能性から「先端 型」・「簡易型」・「伝統型」パヤオの3 つの分類を試みた。第2 に、人文学・社会科学の先 行研究を踏まえ、今後の研究アプローチとして「現代的アプローチ」と「歴史的アプロー チ」の2 つを提示した。第3 に、地域資源とするパヤオを機能論の立場から、本来的機能 として地域漁業研究、それに、副次的機能として地域活性化コンテンツ研究という2 つ の研究視座で、パヤオのメッカである沖縄県(宮古島市と名護市)の事例分析を行なった。  事例分析の成果として、まず、沖縄県の「先端型」パヤオは、漁業者に多大な恩恵を与 えるとともに、多様化・大型化・高度化・長期耐用化の傾向にあり、数量的に中層型パヤ オが主流で、表中層型パヤオも増加している。次に、地域漁業としてのパヤオでは、管 理・利用の適正化が図られる一方、遊漁も含めた複合的な利用調整も進行中である。宮古 島市の場合、パヤオの設置~管理~利用に関するルールづくりと秩序ある利用は、宮古地 区パヤオ管理運営委員会が主導的な役割を果たしている。パヤオは、多様な経済的効果を 発揮し、カツオ・マグロ漁業の経営向上に大きく貢献し、本来的な機能を十分に果たして 水産振興の一翼を担う状況にある。それから、地域活性化コンテンツとしてのパヤオで は、宮古島市で「パヤオの日」制定、関連イベントが地域ぐるみで継続的に行われ、ま た、名護市で陸揚げされた中古のパヤオが地域のランドマークになりつつある。パヤオは 文化的・地域的な意味で地域のシンボル化が進展し、副次的な機能が発揮されている。, Article}, publisher = {神奈川大学 国際常民文化研究機構}, title = {パヤオ(FADs)の機能と利用に関する総合的な分析 -「現代的アプローチ」による沖縄県の事例研究-}, year = {2013} }