@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009581, author = {若林, 良和 and Wakabayashi, Yoshikazu}, month = {Mar}, note = {乱獲や漁場環境の悪化などにより沿岸海域の水産資源が減少した台湾では、漁獲量・漁 獲金額ともに減少して漁業経営は厳しい状況が続いていた。その打開策の一つとして、台 湾政府(行政院農業委員会水産試験所)は1970 年代より、パヤオ(人工浮魚礁)を利用し た漁業を推進した。  本稿の目的は、台湾南部の緑島地区と小琉球地区を事例にして、筆者の分類による「先 端型」パヤオをめぐる漁業展開を明らかにすることである。具体的には、①投入経過、② 設置状況、③漁獲方法と漁獲実績、④管理方法と利用規則、⑤パヤオの効果と方途の5 点から検討した。  事例分析の成果としては、パヤオ設置による新漁場の形成が漁獲収益の向上につなが り、パヤオが果たす経済的な効果は極めて大きい。パヤオ漁業は台湾の沿岸漁業再興の切 り札としての役割を持っている。今後の台湾における持続的な沿岸漁業の発展には、水産 資源の維持を念頭におきながら、バランスのとれたルール化と組織化によるパヤオ漁場の 利用が重要となる。パヤオの意義は単に経済的なものにとどまらず、社会的なものも含め て広く周知していく必要性がある。  日本(沖縄県)との対比を念頭に置いて整理すると、①「先端型」パヤオの本格導入は 1980 年代以降であったこと、②パヤオの投入・設置は台湾政府主導で台湾南部を中心に 推進されたこと、③パヤオ設置でマグロ類やカツオ類など漁獲実績が伸張したこと、④パ ヤオ漁業に関する管理規則の制定、関連団体の組織化によって漁場の管理と利用が円滑に 行なわれたこと、⑤漁獲効果の向上によって漁家経営・漁業経済が改善されたことの5 点が指摘できよう。今後、フィールドワークを深化させ、本格的な地域の比較研究が不可 欠である。, Article}, publisher = {神奈川大学 国際常民文化研究機構}, title = {台湾南部におけるパヤオを利用した漁業展開 -緑島地区と小琉球地区を事例とするモノグラフ報告-}, year = {2013} }