@article{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009554, author = {泉水, 英計 and Sensui, Hidekazu}, journal = {神奈川大学 国際常民文化研究機構 年報}, month = {Jan}, note = {第二次世界大戦中の米国にみられた学術動員の一つとして、海軍による太平洋諸島の軍政計画がある。コロンビア大学に海軍軍政学校が設置され、司政官を養成するとともに、占領予定地の地誌情報の収集と整理が組織的におこなわれた。その成果物のなかで形式が整っているのは、作戦立案者の参考用に、また、侵攻後は司政官たちの情報検索用に作成された『民事ハンドブック』である。占領地局の刊行物として、関連出版物を含めれば30編のシリーズをなす。日本の委任統治領であった島々や琉球列島のものがつとに知られているが、本論では、台湾を扱ったハンドブックに焦点を当てる。台湾侵攻が最終的に見送られたため看過されてきたが、対象となる社会の規模は桁違いに大きく、この任務を担った調査班は軍政学校の主要部分を占めた。 調査班を率いた歴史学者ジョージ・カーの個人文書を基礎資料にして、彼らの台湾研究の経緯、組織編制と人材、具体的な作業内容を再構成することが可能であり、海軍軍政学校の主幹となる活動が明らかとなる。欧語文献には早々に見切りをつけ、海軍日本語学校卒の言語将校たちを図書館や文書館に日参させ、台湾について言及された日本語文献を網羅的に渉猟する。とくに有益な情報を含む文献が発見されると、日系人を中心とする民間人翻訳官が逐語訳し、軍政学校卒の情報将校たちが分析を加えて執筆にのぞんだ。このようにして1944年春から秋にかけて計10冊の台湾ハンドブックが編集されている。そこに集積された情報は詳細だが平板ともいえる。けれども、調査班の効率的な情報処理システムが、人材の準備も研究設備もほぼ皆無という状態から短期日のうちに創設され稼働したことは注目に値しよう。, Article, 論文}, pages = {83--100}, title = {米海軍軍政学校における台湾研究 -台北二二八紀念館所蔵カー文書による再構成-}, volume = {5}, year = {2015} }