@article{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009536, author = {金, 広植 and Kim, Kwangsik}, journal = {神奈川大学 国際常民文化研究機構 年報}, month = {Sep}, note = {文部省普通学務局は1905年11月10日、童話・伝説・俗謡などを各府県に報告させた。1905年文部省の「童話等調査」が通俗教育取調上の必要から行われたのと同じく、朝鮮においても1908年の保護期の学部で「俚諺童謡査察」が実施された。その後、朝鮮総督府学務局は、1912年の俚謡・俚諺などの調査に続き、翌年には伝説・童話調査も実施していた。筆者が発見した1913年の『伝説童話調査事項』は、四道から報告されている。江原道の報告には公文が付いているが、そこには学務局職員の小倉進平の印が押されている。1912年および1913年報告は、小倉が担当したと思われる。1913年の調査の後、1916年から翌年にかけて田中梅吉の主導で民間伝承が行われた。このように総督府学務局は、1912年から民間伝承を活用した「民間教化」に関心を持ち、その延長線上で3回の調査を実施しており、その調査資料が総督府編纂教科書および学務行政に反映されたと思われる。 小倉は早くから朝鮮方言に関心を持ち、1912年末に済州方言調査を目的に済州島を訪れ、方言の他に、「島の人情・風俗・宗教・伝説・俚謡など」を広く調べた。1912年初めに学務局が実施した「俚謡・俚諺及通俗的読物等調査」と1913年4月頃の「童話伝説調査」は、教科書編纂と深く関わっている。小倉は、伝説の研究は民族の起源・歴史を理解するための「最も有力な補助学科」と主張している。このような考え方は、小倉のみならず、学務局の関係者の意見でもあったと思われる。つまり、1912年と1913年に実施された民謡・童話伝説調査は、朝鮮民族の起源と歴史を理解するために実施したといえる。 文部省と総督府の編纂趣意書は、1910年以後から説話材料を取り扱うと言及しているが、その目的には大きな隔たりが存在する。文部省が趣味を豊富にし、民間伝承の持つ考案思索の力を養うために導入したのに対し、総督府は母語でない日本語に興味を喚起し、徳性を涵養する目的から古来朝鮮に伝わる説話を取り上げたと主張している。「韓国併合」前後に朝鮮で4回実施された民間伝承調査報告書と教科書との関わり、朝鮮民俗資料(『朝鮮童話集』など)の比較検討を通した植民地初期の民間伝承の採集過程とその影響・活用に関する総体的な検討は今後の課題である。, Article, 論文}, pages = {99--122}, title = {「韓国併合」前後に帝国日本と植民地朝鮮で実施された民間伝承調査}, volume = {4}, year = {2013} }