@article{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009499, author = {赤羽, 正春 and Akaba, Masaharu}, journal = {神奈川大学 国際常民文化研究機構 年報}, month = {Sep}, note = {ユーラシア大陸北部、北欧からシベリアにかけての広大な地域で育まれた造船技術がある。船側板を張るのに下の側板の上端に上の側板を被せて建ち上げて構成する鎧張り(Clinker-style)、舳先と艫を尖らせる両端尖鋭(両頭式)船形、等が顕著な特色として挙げられてきた。南方船の平板張り、両頭(舳艫)異形、帆の優越と櫂による方向舵、等と対比されてきた。なぜ、このような相違ができてきたのか考察するのが本論の目的である。 この課題を解くためには、北方船の地域ごとの技術的系譜を分類し、地域タイプを特定する必要がある。しかし、シベリア全体に分布する船の分類研究はレーピンとポタポフの『АТЛАС СИБИРИ』が研究の魁となっているだけで、研究が緒に就いたばかりである。そこで、北欧のバイキング型とシベリア型に共通する北方船の形態・機能・操船技術、等の類似性に着目し、シベリア型北方船としてまとめられる要素を取り上げる。 北方船は北欧のバイキング型とシベリア型の二つのタイプに大きく分類されることが分かってきた。前者は船体構造に肋構造のキールを据えるのに対し、後者は強度のある船底材を中心に据えてここから鎧張りに舷側板を建ち上げて船体を構成する。その元になった船底材は、丸木舟から出発している。一人乗りのオモロチカが席巻するシベリア型の川舟に対し、北欧の海で大型化を遂げたバイキング型がある。 両者に共通する両頭式船形や鎧張りによる船体構造などを導いたのは、船を進めるための操船方法と深く関わる。寒冷な低湿地で育まれた北方船は人の行動に適した運動性向に沿って発達し、船を使う生活様式によって系譜が導かれてきたことを分析する。 この技術の萌芽は、シベリア中央の森林ステップ地帯に住むブリヤート人の船造りの中にみられる。単純な丸木舟の製造と操船漕法が、両頭式船形や船底材を中心に据える造船工程を育んできたことを主張する。, Article, 論文}, pages = {65--80}, title = {シベリア型北方船の系譜 -ブリヤート人の事例から-}, volume = {3}, year = {2012} }