@article{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00009474, author = {小川, 直之 and Ogawa, Naoyuki}, journal = {神奈川大学 国際常民文化研究機構 年報}, month = {Aug}, note = {国際常民文化研究機構のプロジェクト「アジア祭祀芸能の比較研究」では、2010年9月に中国福建省泉州市において、この地方に伝承されている傀儡戯、高甲戯、梨園戯、南音などの実地調査と現地研究会を実施した。本稿は、今次のこれらの調査研究から操り人形劇である提線木偶戯のうち、一部を実見できた廟宇での「散傀儡」を起点に、祭祀芸能研究にはアジア的視点による比較が必要であることと、その比較の具体例として沖縄における木偶戯、折口の木偶・木偶戯論を取り上げて論ずることで今後の研究課題を提示したものである。 一部を実見できた提線木偶戯は、泉州市の東嶽廟で行われている「散傀儡」であり、これは「相公爺」人形による「小相公」の請神から始まる木偶戯である。この相公爺は高 甲戯劇場でも祀られるなど戯劇神として位置づけられる。こうした今次の現地調査の成果について、従来の細井尚子、葉明生、馬建華、野村伸一、鈴木正崇らの研究から位置づけ るとともに、この地方の民間傀儡戯には、宗教性と民俗性が付随することを確認した。 その上で、比較研究の一つの可能性として沖縄県に存在したニンブチャー(念仏者)・チョンダラー(京太郎)を取り上げ、その研究史に触れながらこれがもつ宗教性と民俗性 を概観した。泉州木偶戯と比較し得るのは、念仏者・京太郎が木偶を持って念仏を唱えたり、門付けなどを行ったりする宗教性と民俗性であることを提示した。念仏者・京太郎については早くに折口信夫が注目しており、折口も書き留めている「継親の念仏」は盆の口上念仏となっているもので、これは東アジアに広く存在する目連伝承との関連が予測でき ることを指摘した。さらにこうした木偶戯の演者の成立を、折口の「くぐつ」「ほかひびと」論を検討し、その理論がもつ枠組みを明らかにするとともに、今後の比較研究上の課題について折口理論をもとに提示した。, Article, 論文}, pages = {113--122}, title = {泉州傀儡戯と沖縄木偶戯と}, volume = {2}, year = {2011} }