@article{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00005655, author = {畑中, 邦道 and Hatanaka, Kunimichi}, journal = {国際経営フォーラム}, month = {Jul}, note = {国際物流に関わる比較優位は、グローバルエコノミーにおける自由貿 易を前提に議論されているが、分配側のことについては、あまり細か く検討されていない。分配の持つ根源的課題を、需要という言葉で、ひとくくりにして扱っている。現在の資本主義経済では、国際物流は、 需要と供給の関係でしか成り立っていないように、理解されている。 本来は、需要側にある分配問題が、国際物流の大きな課題であること に目をつぶっている。供給側の論理により、実物である商品の移動及 び生産立地は、個別企業経営における戦略的選択により、変化する。 戦略的選択がなされると、国際物流は、ある日突然、方向と実態の姿 を変えてしまう。実物の流れが変わった時、価値の移動とその保管は、 その持つ意味や意義を全く別なものにしてしまう。価値の移動や交換 に伴って生まれる、資本蓄積と再投資のインセンティブは、人類の歴 史を通して現在ある形になり、資本主義経済のグローバル化を促進さ せている。分配問題を無視する国境を持たないグローバル資本は、国 家の自立性の確保や保護などお構いなしに、商品の生産立地国や、分 配側の受容国を、支配してしまう。これに対し、日本でしか起きなかっ た、カイゼン活動から生まれた、ジャスト・イン・タイムの経営手法 や、優れた生産技術の優位性は、特異な存在である。この特異な環境 を持つ構造が、国際物流をどのように変えてきたかについて、検討し ておく。技術集団である中小企業による産業のクラスターを持つ日本 特有の構造は、経済学の一般論からみる比較優位の議論から、大きく 乖離して存在している。日本国内における、その環境の構造は崩壊直 前とも言われているが、それらの現状について検証しておく。本論で は、国際物流について、歴史的な大きな流れの変化を俯瞰しながら、 現在ある課題の抽出を試みている。このため、日々の実務である、輸 出入に関わる実務者レベルの作業手順や法的手続きの詳細比較、及び、 国際物流ではコストとなる3PL(サード・パーティ・ロジステック ス)のような、輸送専門事業者についての具体的な活動については、 論じていない。, Article, 特集/国際物流の新動向と課題}, pages = {73--115}, title = {国際物流と比較優位 -環境の構造と日本企業の特殊性-}, volume = {23}, year = {2012} }