@article{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00002046, author = {杉田, 弘也 and Sugita, Hiroya}, journal = {国際経営論集}, month = {Oct}, note = {近年おもにヨーロッパ諸国から、多文化主義は失敗という意見が聞こえてくる。しかしながら、オーストラリアはカナダと並ぶ多文化主義政策の成功例であり、第2次世界大戦以降、人種・言語・文化・宗教など多様な背景を持った移民を受け入れ、ひとつのオーストラリア社会に統合することに、超党派の合意で成功してきた。特に、ヴェトナム難民を大量に受け入れるという1970年代後半のフレイザー政権による政策決定は、アジア出身者を劇的に増加させ、オーストラリアの人口構成及び社会そのものに大きな(プラスの)変化を及ぼした。その一方、昨今公共交通機関における人種差別的罵詈雑言の報道が目立つなど、オーストラリアの多文化主義社会にひびが入る兆しもある。それが端的に表れているのは、オーストラリアにインドネシア経由などで直接海路到着したボート・ピープルに対し、超党派で政争化、非人間化が進行していることである。ヴェトナム難民に対する当時のフレイザー政権の対策は、人道面からもその効果からも非の打ちどころないものであったが、1980年代末以降、歴代のオーストラリア政府は有効な対策に苦慮し、ボート・ピープルに対しより厳しく、より意地悪な対策を競っているようにみえる。このような対策をとる理由として、オーストラリア政治の2大勢力である労働党、保守連合の双方が、多文化主義と移民政策に対する市民の支持を維持するためということを挙げているが、弱い立場にあるボート・ピープルを非可視化し非人間化することは、結果として多文化主義の土台を蝕み、ドリアン・グレイの肖像のように醜い姿をさらすことになるのではないか、ということが危惧される。, Article, 研究論文}, pages = {1--22}, title = {「タフで人道的な」対策を模索するオーストラリアのボート・ピープル政策:オーストラリア多文化主義の「ドリアン・グレイの肖像」}, volume = {46}, year = {2013} }