@article{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00001920, author = {高城, 玲 and Takagi, Ryo}, journal = {国際経営論集}, month = {Oct}, note = {本稿は、変動の中にある現代タイ社会をマクロな政治経済学的分析のみで捉えることに疑問を呈し、人々の行為に足場をおいたミクロな視点からもタイ社会を照射する分析方向を探るための予備的考察である。その目的は、タイにおける相互行為と社会秩序をめぐる問題に対して、ミクロな分析を特徴とする人類学的研究が、これまで如何なる議論を積み重ねてきたのか、研究の歴史を紐解き、残された問題の所在を明らかにすることにある。 取り上げるタイの人類学的な先行研究は、「ルースな構造とパトロン・クライエント関係」、「儀礼、実践宗教」、「ルークスア・チャオバーン、恐れ、村の中の国家」、「インフォーマルな地方有力者」、「日常生活における相互行為」という大きく5つの方向に整理して論じる。 先行研究の整理から、今後の具体的な分析に残された問題や乗り越えるべき問題として指摘されるのは、「選択自由な行為観」、「関係の実体論」、「主観主義的相互行為論」、「観念的体系の構造論」という概ね4つの問題である。従って、今後の新たな研究では、選択自由な主観主義的相互行為論を相対化し、慣習的、拘束的な行為のやりとりを相互行為として対象化すべきこと、また、これまで分析が行われてきた宗教儀礼以外の集まりの場にも具体的な分析を拡げ、日常的な相互行為と社会秩序の関係を焦点化すべきことが、結論として指摘される。つまり、今後の研究に求められる視座は、タイの社会秩序を慣習的行為の具体的過程の中に、またその行為という地平から微視的に描き出すことであると言うことができる。, Article, 研究論文}, pages = {141--156}, title = {タイの人類学的研究からみる相互行為と社会秩序}, volume = {38}, year = {2009} }