{"created":"2023-05-15T11:52:46.450116+00:00","id":15170,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"c6800263-a5ea-443b-a4ba-b79224a29e58"},"_deposit":{"created_by":10,"id":"15170","owners":[10],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"15170"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00015170","sets":["1051:1052:1053:1435"]},"author_link":["34105","34105"],"control_number":"15170","item_3_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2022-10-31","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographicIssueNumber":"1","bibliographicPageEnd":"26","bibliographicPageStart":"1","bibliographicVolumeNumber":"58","bibliographic_titles":[{"bibliographic_title":"商経論叢","bibliographic_titleLang":"ja"},{"bibliographic_title":"The review of economics and 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アバーナシーのガソリン内燃式エンジン車の事例がある1。19世紀後半,自動車の動力源として,蒸気機関,電気,ガソリン内燃機関の3種類のエンジンが試作・実用化されていた。ガソリン内燃機関は,エンジンの始動が早く馬力もあったが,時に爆発事故を起こすことが最大の問題であった。その後,ピストン内の摩擦熱を下げるためにエンジンオイルによる潤滑化等を進め,実用化を促進する。アバーナシーは,1908年のT型フォードの完成を,ガソリン内燃式自動車の「ドミナント・デザイン」と見ている。ドミナント・デザインとは,作る側からも使う側からも,一応納得が得られるような支配的な製品形態を意味する。無論,それ以降の改良も必要になるときが来るが,一度ドミナント・デザインが確立されると,品質が安定し,ラディカルな製品革新は影を潜め,むしろ生産工程の効率化と製品価格競争へと,事業展開の方向に変化が現れる。つまり,ドミナント・デザインの成立は,製品ライフサイクル2を揺籃期から成長期にシフトさせ,競争の焦点を品質競争から低価格化競争へと移行させる。このことは言わば,深刻な事故の克服を意味しているとも言える。こうした事例に基づく検証には,開発プロセスに関する記録が不可欠であり,その点比較的新しい事例が研究対象として重要となる。本論で検討する事例は,ジェットエンジン機の開発に関するもので,世界で1950年前後から始まった新規技術であり,開発プロセスに関する記録が比較的よく揃っている。開発当初は,深刻な事故が多いが,絶えざる試行錯誤による改良改善が積み重ねられる。合理性に限りのある人間には,先験的に技術的リスクを予見することが難しく,やってみなければ分からないことがたくさんある。ところが,この繰り返される試行錯誤のうちに,ある時急速に事故率が低くなる時点を迎える。すなわち,ドミナント・デザインが成立し,新製品はここからコスト的にも急速な低下を実現し,成長過程に入ることになる。著者が,かかる技術的ライフサイクルに関心を持つのは,この概念が原子力発電技術ないし原子力発電産業の将来を展望する上で,適切なアナロジーを示してくれると考えるからである。現在,日本は原子力発電を促進すべきか,踏みとどまって撤退・転進すべきか,その判断の岐路に立たされている。フランスは,原発推進の姿勢を鮮明にしている。ドイツは,メルケル政権下で脱原発の決定をした。このヨーロッパ二大国の正反対な意思決定こそ,人間の限定された合理性を象徴しているように見える。原発は,改良によって将来性を開くことができる技術なのか,それとも改良がさらに増幅されたリスクを生んでしまうような,「デッド・エンド・テクノロジー」3なのであろうか。この問題に対する解答を得る上で,限定された合理性によって繰り返される試行錯誤としての開発プロセスを,他種産業の事例を手掛かりに類推してみることが有効ではないだろうか。開発プロセスとは,言わば技術的リスクの克服過程だが,新技術には新しいリスクが伴う。これをさらに新しい技術で解決しても,さらに新しいリスクが随伴する。こうして技術という「禁断の知恵の実」を一度口にした人類は,永久に技術革新を続けねばならぬ宿命を負った。現在,旅客機の事故確率は100万分の1にまで下がっていると言われる。それでも飛行総数からすれば,約1年に1機の割合で墜落事故が起きる。自動車による死亡事故はケタ違いで,日本だけでも年間4000人程度の死亡事故がある。しかるに,この大型ジェット機10機分の自動車による死亡事故よりも,1機の旅客機の事故の方がセンセーショナルに語られる。この点,原発事故もこれに似ており,事故防止のための安全対策が極めて厳格に要求される。自動車に続いて,ジェット機の技術的リスクとその解決プロセスを調べることによって,我々はそのアナロジーを以て原発技術の現状と将来を見据えることができるかも知れない。","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_3_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"論説","subitem_description_type":"Other"}]},"item_3_publisher_33":{"attribute_name":"出版者","attribute_value_mlt":[{"subitem_publisher":"神奈川大学経済学会"},{"subitem_publisher":"THE 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