@phdthesis{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00014861, author = {落合, 努}, month = {}, note = {本論文では、主に広域での防災・減災のための利活用を目的に、単点常時微動観測結果を用いた新たな地盤ハザード評価手法について提案する。そのため、まず常時微動に関するこれまでの研究内容や課題を整理した。そのあと提案する地盤ハザード評価手法を説明するとともに、研究対象とした地域の地形概要をまとめる。また、提案する手法に対し、モデル地盤や実地盤を用いた数値解析により理論的な妥当性についての検討や、地震観測記録を用いた地盤震動特性の比較検討を行い、常時微動の利活用による地盤ハザード評価法の有用性を示す。最後に、実際の地震被害を対象に提案する地盤ハザード値と地震被害との比較から、同手法の適用性についての確認を行う。 本論文は、以下の7章構成となっている。 第1章「序論」では、防災・減災のための地盤ハザード等評価手法の現状や課題、常時微動を用いた地盤評価手法における既往の研究を整理し本研究の位置づけを明確とする。 第2章「地盤ハザード評価手法の提案」では、具体的な地盤ハザード評価手法の提案を行う。現在の耐震理論では、エネルギーの釣り合いを考慮した地震動評価が採用されている。このことに配慮した、広域な地盤評価が可能な簡便な手法として、単点微動H/Vスペクトル比の卓越周期とピーク値を乗じたものを地盤ハザード値と定義し、算定式などを整理した。 第3章「微動による地盤の卓越周期評価と課題」では、具体的な3つの地域を対象に検討事例を整理した。検討地域は「神奈川県中央部」、「横浜市」、「神奈川県東部」とし、微動の定点連続観測による安定性の確認や、地形発達史を考應した地形区分により特性が異なることなどを確認した。 第4章「数値解析を用いた検討」では、提案している地盤ハザード値について、仮想の地盤モデルや実地盤モデルを用いた数値解析によって、理論的な妥当性についての検討を行った。検討は、数値解析から求めるSH波伝達関数とスペクトル強度(SI値)の比較や、単点微動による地盤ハザード値を比較することで、その妥当性を確認した。 第5章「強震記録との比較と横浜全域の地盤ハザード評価」では、常時微動観測と強震記録の比較から、実際の地震時の特性を微動観測でとらえられているかの確認を行った。また、横浜全域の約5700地点を対象に、具体的に地盤ハザード値を算出し、既往の検討資料との比較を行った。 第6章「過去の地震被害による適用性の検討」では、過去の被害地震と比較的近年に発生した被害地震に分けて、今回の手法の適用性こついて検討を行った。 過去の被害としては1923年関東地震や1974年伊豆半島地震を対象に、近年の地震としては2016年熊本地震を対象とした。検討方法は、ます地震による建物被害の情報を収集した。一方で、建物被害の分布を包含するような範囲で常時微動を観測し、地盤ハザード値を算出する。その両者を比較すると、いずれの地震に対しても正の相関(建物被害が大きい地域は地盤ハザード値も大きい)が確認でき、提案する地盤ハザード評価手法を用いることの有効性が確認できた。2016年熊本地震に関しては、地震動強さや建物年代を考慮した検討を行い、本手法の適用性について整理した。また最後に、現在広域な地盤ハザード評価手法として一般的に使われている、J-SHISの地盤増幅率と本手法の比較を行った。両者と建物被害との相関を比較すると、本手法の相関係数の方が高く、手法の有効性が確認できた。 第7章「結論」では、本研究で得られた結果を総括する。, In this paper, we propose a new ground hazard evaluation method using single-point constant tremor observation results, mainly for the purpose of utilization for. disaster prevention and mitigation in a wide area. In this paper, we first organized the research contents and issues related to constant tremors. After that, we will explain the proposed ground hazard evaluation method and summarize the topographical outline of the area studied. In addition, for the proposed method, we will examine the theoretical validity by numerical analysis using model ground and actual ground and compare and examine the ground vibration characteristics using seismic observation records, and constantly utilize fine movements. It shows the usefulness of the ground hazard evaluation method. Finally, we w_ill confirm the applicability of this method by comparing the ground hazards proposed for actual earthquake damage with the earthquake damage.}, school = {神奈川大学}, title = {常時微動H/Vスペクトル比による地盤ハザード評価に関する研究}, year = {2022}, yomi = {オチアイ, ツトム} }