@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00014170, author = {村上, 絢一}, month = {Mar}, note = {土佐国大忍庄は、現在の高知県香美市から香南市に及ぶ領域に存在した中世荘園である。その北東部の山間・丘陵地帯では、専当と称された荘官や名主の系譜を引く家に少なからぬ中世文書が伝えられた。そのうち、最大の中世文書数を誇るのが「安芸文書」である。「安芸文書」には、内容や宛所を異にする様々な文書が混在する。これに関して横川末吉は、「中世を通じて名主の身上に変動のあったたびに、古文書は新しい権利の所有者の間に転々した」と指摘する。本稿は、横川の指摘を踏まえ、「安芸文書」に含まれる文書を系統分類し、いつ、どの文書が、どの段階で、どの文書群に包摂され、そして「安芸文書」を構成するに至ったのかを追究する。これにより、「安芸文書」は、〈専当職幷国弘名文書〉+〈清遠名文書〉→〈東川専当職文書〉→〈山川文書〉+〈プレ畑山文書〉→〈畑山文書〉→「安芸文書」の順に、元の所有主体を異にする文書群が次々と包摂され、形成されたことが明瞭となった。他家の文書群に伝わる中世安芸氏関連文書が、近世において筆写され、その写が「安芸文書」に混入された事実は、中近世を通じた文書管理の実態や近世における文書認識について再考を促すものである。本稿では、安芸・畑山の地から離れた土地に関する文書の伝来過程や、名主層における家文書の形成を規定したであろう大忍庄の地域的特質を、今後の検討課題として指摘する。, Book}, publisher = {神奈川大学日本常民文化研究所, Institute for the Study of Japanese Folk Culture, Kanagawa University}, title = {土佐国大忍庄「安芸文書」の成立過程}, volume = {29}, year = {2021} }