@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00014137, author = {葉山, 茂}, month = {Feb}, note = {本稿は、戦前の渋沢水産史研究室において祝宮静が研究所の活動で果した役割を、祝の生い立ち、学問的背景などに注目して検討することを目的としたものである。 祝宮静は神社経済史を専攻する研究者であり、渋沢敬三との出会いにより豆州内浦漁民史料の刊行に携わり、戦後は民俗資料の専門家として活躍した人物である。祝の研究分野のうち、神社経済史と豆州内浦漁民史料に関わる研究で、祝は労働問題と身分制度を研究上の問題関心としてきた。 祝の労働問題と身分制度に対する関心は、中学生時代に父親から勧められて読んだ『古事記神話の新研究』の作者であり、社会運動家の石川三四郎との出会いにより拓かれた。祝はその関心を、大学時代を通じて労働問題と身分制度という視点に昇華し、研究に反映した。 こうした状況のなかで出会ったのが渋沢敬三であり、豆州内浦漁民史料である。豆州内浦漁民史料は、渋沢が沼津市内浦地区で出会い、寄贈を受けて所有者に資料集の刊行を約束した古文書群である。渋沢は社会経済史の視点をもつことで、古文書群を網羅的に集めた。渋沢の視点は、当時の古文書研究に対するアンチテーゼであった。 史料の刊行に携わった祝宮静は、渋沢の「論文を書くのではない、資料を學界に提供するのである」という方針の下、欠字の補完や注釈の付与する仕事をした。史料は1940年に『豆州内浦漁民史料』全4 巻として刊行された。刊行後、祝が豆州内浦漁民史料を用いて始めた研究は、身分制度に着目したものであり、成果は戦後、博士論文として結実した。本稿ではこうした経緯を踏まえ、祝が渋沢の方針の実直な具現者であったことを指摘した。, Book, 第Ⅲ章 水産史研究室同人の「問題意識の多様性」}, publisher = {神奈川大学 国際常民文化研究機構, International Center for Folk Culture Studies}, title = {祝宮静の豆州内浦漁民史料調査にみる水産史研究の展開}, volume = {13}, year = {2019} }