@article{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00013447, author = {石倉, 孝祐}, issue = {59}, journal = {国際経営論集, International Management Review}, month = {Mar}, note = {本稿では、中世末期に出現し、近世初期に多数の諸本が製作された掛幅状の絵画である熊野那智参詣曼荼羅を対象に、その民俗宗教資料としての特質を明らかにしつつ、構図の構造分析を試みるものである。熊野那智参詣曼荼羅は鎌倉初期に起源が求められる、いわゆる熊野曼荼羅ないし熊野宮曼荼羅の系譜に位置づけられるとはいえ、熊野曼荼羅一般が中世社会の貴顕や寺社内での宗教儀礼に際して使用されたのに対して、熊野那智参詣曼荼羅とは民衆を対象にして専ら絵解きや唱導を目的に製作されたため、本地仏や垂迹神などの高度な教理面を図絵した熊野曼荼羅一般とはことなる、平明で親しみやすい印象を与える。画面の随所には参詣者の蝟集する聖地の盛大さが描写されるとともに、参詣路の各所にはさまざまな奇瑞や伝説、宗教儀礼が表現されるなど、地図的表現のなかに宗教的象徴が提示され、より説明的な表現が特徴となっている。本論では熊野三山の一つ、那智山への参詣を励起することを目的に成立した参詣曼荼羅の各要素を、絵解き=シークエンスの再現性の見地から検討を加え、絵画記号論の方法によって基軸的な他界認識と構図内部の力動性を分析した結果、妙法山阿弥陀寺を中心にする山中他界観と補陀落渡海に代表される海上他界が画面構成のなかで有機的に結合している姿を明らかにした。また、補陀落渡海船と天満の穀船の対比から、死と豊穣の象徴性の存在に言及し、これらが、文覚蘇生譚などの那智大瀧の霊験・信仰の関与による、再生の構造が画面内部で他界観念と複合する様態を考察した。, Departmental Bulletin Paper, 研究論文}, pages = {51--67}, title = {熊野那智参詣曼荼羅の宗教的世界観}, year = {2020} }