@book{oai:kanagawa-u.repo.nii.ac.jp:00013415, author = {丸山, 泰明}, month = {Feb}, note = {神奈川大学国際常民文化研究機構共同研究(奨励)として2017年度から2018年度にわたって実施した「昭和戦前期の青年層における民俗学の受容・活用についての研究」の総論として、共同研究および本書の概要について説明する。 共同研究では先行研究をふまえ、第1に民俗学関連の刊行物の出版や郷土舞踊の民謡の会、大日本聯合青年団郷土資料陳列所などの事業を関連づけ俯瞰的な視点から全体像を捉えること、第2に柳田国男だけではなく他の知識人の関わりにも目を向けること、第3に民俗学を受容し参加していく地方の青年団や青年たちの実像を捉えていくことを目指した。 日本青年館と大日本聯合青年団は、地域の青年団が連携するために生まれた中央機関である。また、日本青年館は、1920年代に新しく誕生したモダンな公園である明治神宮外苑に隣接し、地方の農山漁村の文物の展示、郷土芸能の上演、民俗学の講習会・研究会の開催が行われる画期的な文化施設であった。加えて、日本青年館・大日本聯合青年団は、新聞・雑誌・図書などを積極的に活用するメディア戦略をとっており、出版メディアによって青年に民俗学が普及していった。田沢義鋪や柳田国男の思想を背景として、青年たちが学ぶことを期待された民俗学は、目の前の実際の社会生活に向き合う実践的な学問であり、地方の青年の中には積極的に参画していく者もいた。しかし日中戦争勃発による社会情勢の変化により、1937年を最後に民俗学に関する事業は終焉を迎える。 共同研究の成果は、共同研究員の論文をまとめた論考篇と、青年と民俗学に関する資料をまとめた資料篇により構成している。今後の課題として、第1に青年と「芸術」の関係、第2に植民地の青年団の関わり、第3に民俗学に影響を受けた青年の実像を検討することがあげられる。昭和戦前期の青年と民俗学の関係を明らかにすることは、現代において青年が民俗学を学ぶ意味を問うことにもつながっていくのである。, Book}, publisher = {神奈川大学日本常民文化研究所}, title = {総論 -青年と民俗学の時代-}, volume = {28}, year = {2020} }